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2024-08-01

福岡市美術館の写真展会場に訪れたある男性の話

写真展「一蓮托笑」初日から数えて、3日目くらいのことだったでしょうか。。

ギャラリー内で他の来場者様との会話が終わり、受付に戻った私に

「あちらの男性の方が、このお菓子を持って来られましたが、貴子さんのお知り合いですか?」と、ボランティアスタッフさん。

受付にはバームクーヘンの包みが1つ、置かれていました。

 

ギャラリー内を見ると、60代くらいの見知らぬ男性が一人。
静かに写真展の作品を観覧されており、タイミングを見計らって、声をかけました。


清水「ご来場ありがとうございます。お菓子までいただいたようで、ありがとうございます。あの、どなたかのお知り合いでいらっしゃいますか?」

男性「いえいえ、いいんです・・・」

清水「え、、、よかったらお礼をお伝えしたいので、お名前だけでも教えていただけますでしょうか・・・」

という私に対し、少し下を向きながら

男性「いや、ほんとにいいんです・・・ろくなことしてこなかったもんで・・・いいんです・・・きれいに撮ってくださって、ありがとうございます」


と、すっと頭を下げられ、お帰りになりました。

私はそれ以上声をかけられず、ただ後ろ姿を見送ることしかできませんでした。

今回の写真展で、最もこだわったことがあります。


「越えてきた困難を自己開示いただけること」
「本気でこの企画に向きあっていただけること」


この2つです。

「本気でこの企画に向きあっていただけること」

というのは、
「勇気を届けたい」という写真展のコンセプトに本気で向き合う、という他、ご自身と本気で向き合っていただける方を求めていたからです。

50年以上生きてきた女性たちが半生を振り返り、最もしんどかった頃の話を公にする。

それは決して不幸自慢ではなく、
その困難を「これがあったおかげで」と笑顔に昇華した尊い物語。
私は写真展でその存在も讃えたかったし、その本気は見る人に「勇気」として届くのではないか、と思ったから。

 


この男性との短いやりとりの中で、
私は、表情やその姿に間近で接し、いろいろなことを感じ、また一つ学ばせていただきました。

過去の苦しかった経験を乗り越えて、今幸せに生きていることを話すことに真摯に向き合うことで、もしかしたら本人だけでなく、当時関わっていた人たちにも、心の傷が癒されたり、前向きに生きようと思えたりするきっかけになるのかもしれない・・・。

でも、どう感じるかはその人のものなので、
あくまでも私の勝手な憶測でしかありませんが、願いとしては、関わるすべての人が幸せになる写真展一蓮托笑をこれからも目指していきたいです。



現在、一蓮托笑2025東京に向けて、コツコツと準備中です。

詳細&お申し込みは9月頃になる予定ですが、途中経過報告などは随時無料メルマガで配信してまいりますので、いち早く情報を受け取りたい方はメルマガ登録をおすすめします。

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